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M&Aで拡大を図る海外メーカー
自動車の電動化や自動運転の普及で、環境技術や安全対策の向上が課題となり、各社とも研究開発費や設備投資が一気に増加。海外を含めたメーカーの競争も激化している。そうした状況を受け、ボッシュやコンチネンタル、ZFなどの海外大手は積極的なM&Aを展開し巨大化している。国内では、トヨタ系がグループ内の重複事業の集約を進めているほか、日立がカーナビゲーションシステムなどを手掛ける子会社、クラリオンを売却するなど、今後も業界全体の再編が進むと見られている。
激しさを増す次世代技術開発
エコカーや自動運転に対応した技術開発が激化する中、トヨタ自動車は2018年6月に、電子部品の生産・開発機能をデンソーへ集約することに合意。さらに2019年7月に、両社で次世代の車載半導体の研究および先行開発を行う合弁会社を設立することに合意した。またアイシン精機は、トヨタ自動車と共同出資のフィリピンの変速機製造会社の出資比率を引き上げ子会社にした。次世代技術開発競争が激しさを増す中、こうした開発力の強化や規模拡大のための技術・資本提 携は、今後も増えていくことが確実視されている。
半導体など電子部品が品薄で高騰
自動運転技術の開発やEV(電気自動車)の普及で電子化が加速し、自動車向けの半導体・電子部品の需要が高まりを見せている。それによって品薄となり、価格が急速に高騰している。そうした中、自動車部品メーカーは電子部品企業との協力や提携を進めている。また、豊田合成は、「ロボティクス」「半導体」「次世代自動車部品」「素材」の4分野に関連したスタートアップ企業に投資する「ベンチャー投資企画室」を2019年1月に新設。自動運転や医療・産業ロボット等の技術を取り込む予定で、他産業へのつながりも拡大していく考えだ。
求められる電動化・自動運転化への対応
自動車1台に使用される部品点数は3万点以上と言われ、自動車部品メーカーなしに自動車業界は成り立たない。しかし、電気自動車(EV)になると約1万点の部品が不要になるとされ、エンジン系などを手掛けるメーカーは危機感を持ち、現行の自動車部品を供給しながら電動化対応を進めている。今後は、従来の機械分野の知識や技術が求められるのはもちろんだが、電気・電子、ソフトウエア関連の技術も必要不可欠となる。進化&変化する技術への対応力と、従来の枠のとらわれない柔軟な発想力が、今まで以上に求められている。